三浦綾子入門
三浦綾子入門 6.文学館へ行こう!
6.文学館へ行こう!
1998年6月13日に開館した”三浦綾子記念文学館”。三浦綾子ファンにとっては聖地ともいうべき場所。その文学館は三浦綾子さんが一生を過ごした旭川の地にあります。
このコーナーでは、”三浦綾子記念文学館”(以下、文学館と略す)について特集します。
場所
文学館は旭川市神楽の外国樹種見本林の中にあります。見本林といえば、小説”氷点”の舞台となった場所です。この見本林を抜けると小説の中で陽子が自殺を図った美瑛川のほとりに出ます。
アクセス
JR旭川駅から車で10分程度(タクシーで800円~1000円)
旭川中心部より10分程度 神楽農協駅前下車
※駅から歩いても40~50分ぐらいで着くと思います(経験談)。雪がない頃なら自転車も気持ちよさそう。
文学館手前に文学碑
没後一周年にあたり、三浦綾子文学碑を建立。除幕式は2000年10月12日(綾子さんの命日)に行われた。この除幕式に関してはコッコさんのソンシアの家にて詳しく報告されているのでご参考に。「文学碑除幕式に参加して」
<ひかりと愛といのち>をテーマに
館内はテーマごとに五つの常設展示室に分かれ、三浦綾子さんの著作、原稿(コピー)やビデオなどが見ることができる視聴覚室の他、喫茶室もありゆっくりとできる空間です。その他、入り口入ってすぐのミュージアムショップでは関連グッズを購入することができます。
個人的にはBGMがとても素敵だと感じました。そんなに広い建物ではないのですが、なんか遠くの方から聞こえてくる感じがとても心地よい音に聞こえました。
第一展示室 <三浦文学のすべて>
”すべて”と題しただけあり、三浦綾子さんの著作が年表と合わせてずらりと並んでいます。翻訳本の多さに驚くかと思います。これだけ海外で翻訳されている日本の作家はそうそうはいないのではと思うほどです。
第二展示室 <作家への道のり>
ここでは三浦綾子さん誕生から氷点で世に出る前までの期間がまとめられています。教師生活の模様や前川正さんとの出会いなど。
個人的に目が止まったのは学生時代の作文です。学生時代にしてこの文章力!と本当に驚きました。内容は幕末の大老井伊直弼に関するもので皇国思想が強く感じられ時代を感じさせてしまいますが、これが本当に作文かという印象を受けました。
第三展示室 <『氷点の世界』>
出世作となった「氷点」に関してまとめられた部屋です。各種の原稿(下書き、応募用、新聞連載用)があり、必見の一室です。また、綾子さん著作の中で一番多くテレビドラマ化、映画化されたのは氷点であり、なんと七度も映像化されているのです。その歴代の陽子役、夏枝役の女優さんの名が並んでいたり、また氷点の各登場人物ごとの年表らしきものがあったりいろいろと楽しめます(この年表らしきものはハートのしみでも作成してみたいと思っています)。
第四展示室 <ゆたかな作品群>
塩狩峠、母、銃口などの小説を書く上での取材活動の一端を知ることができます。何冊もある分厚い取材ノートを見ると、これだけ綿密に準備してから書いていたのかぁと素直に感動しました。
第五展示室 <共に歩んで>
三浦文学においては欠かせない存在の夫・光世さん。光世さんとの共同作業のいったんを知ることができる一室です。
ここではなんと言っても書斎の写真が一番印象的でした。近藤多美子さん撮影の写真とのことですが、一瞬目がくらくらする感じの写真ですが、本当に綾子さん、光世さんのいる書斎におじゃましているような感覚になる不思議な一枚です。
視聴覚室
三浦綾子さんの著作が多数置かれている他、講演会やラジオ放送を録音したカセットテープや映画、ドラマなどのビデオテープが置いてあり自由に閲覧することができます。
その他、点字の作品や氷点などの原稿のコピーなどもあります。原稿のコピーは直に手にとって読むことができるので、時間があれば出版物と較べて読んでみるのもいいかもしれません。
見本林
文学館へ行ったら、見本林を散歩されることをお薦めします。さすがに雪深い季節は歩ける範囲が限られますが、雪がない季節ならば堤防を越えて美瑛川まで出てみてもいいでしょう。この見本林にはストローブマツ、ヨーロッパアカマツ、ヨーロッパカラマツ、ヨーロッパトウヒなど約50種あまりもの樹木が植えられており、雰囲気もいい感じです。
また、私は見かけることができませんでしたが、キタキツネの4匹家族の他、リスもいるということです。
賛助会員
三浦綾子記念文学館は全国の三浦ファンの募金によりつくられ、ボランティア団体の「おだまき会」による協力といった市民の手により運営されていく文学館です。
そして、運営に要する費用は賛助会員による賛助会費によりまかなわれています。賛助会員は常時受け付けているようです。参考までに年会費、会員特典も記しておきます。
年会費
(個人会員)一口 二千円 一口以上
(法人会員)一口 二万円 一口以上
(団体会員)一口 五万円 一口以上
※口数の制限はありません。
会員特典
・文学館の入館料無料
・三浦綾子記念文学館 館報「みほんりん」の送付
・ 各種イベントの案内
会費納入方法については郵便振込と銀行振込がありますが、詳細は文学館事務局(電話番号0166-69-2626)にお問い合わせください。
三浦綾子記念文学館
財団法人三浦綾子記念文化財団
〒070-8007 旭川市神楽見本林
TEL 0166-69-2626 FAX 0166-69-2611
URL http://www.hyouten.com/
2001-09-08 Add
2010-01-10 Update