三浦綾子入門
三浦綾子入門 2.三浦作品のどこがいいの?
2.三浦作品のどこがいいの?
1.三浦綾子って誰?では三浦綾子さん本人の簡単な紹介をしましたが、ここでは作家としての三浦綾子が世に送りだした作品のどういうところが特徴なのかをはまションの独断と偏見に基づき、紹介していきます。あまり深い意味はありませんので軽く読んでいただけると幸いです。
★テーマ
三浦作品のテーマは「人はいかに生きるべきか」(言い方換えると「生きるということはどういうことなのか」)じゃないのかなと、私は漠然とながら思っています。
そういう意味で三浦作品は「人生の教科書的存在」になりうるものだと思います。
☆効能
効能というタイトルはちょっと大げさですが、三浦作品を読むと「こういう気持ちになるよ」というものをいくつか紹介します。
-心が洗われる
三浦作品はとても感動的な作品が多く、何度か読み返してもまた違った感銘を受けることがあります。
多忙な日々を送る人にとって三浦作品は一種の清涼剤というところでしょうか。「心が洗われる」と思うのは私だけでなく、けっこう多くの方が思うようです。
でも心が洗われるというのは言い過ぎかもしれませんね、「心が洗われるような気がする」というほうが適切かもしれません。そうなんです、決して間違えてはいけないのは本を読んだだけでどうこうなるわけじゃなく、それを実践して初めて「心が洗われた」ことになるんだと思います。そうか、実践してないから心が洗われたような感じがするレベルで止まっていたのか、私は。とこれ書きながら思いました。
-優しい気持ちになる
三浦作品はとても心あたたまる話にあふれています。特にこれはエッセイなどを読んでもらえるとよく分かると思います。自分が上の立場に立った優しさじゃなく相手と同じ視点に立った優しさというものを強く感じます。
-前向きに物事を考えられるようになる
三浦作品の中ではとても辛い境遇におかれている人が多数紹介されています。でもその人たちは決してつぶれていません。とても前向きなんです。そういう人たちを見ると自分の置かれた環境なんてたいしたことないとホントに思います。
「どうしてこうなっちまったんだ」ではなく、「これからどうやっていこうか」という気持ちにさせてくれます。気持ちの持ちようで前に進むこともできれば後ろにずるずる下がることにもなるんだなと実感しています。
ちなみに私の好きな言葉のひとつに「希望は失望に終わらない」という言葉があります。三浦作品で何度も登場する言葉ですが、これを合い言葉にしてると頑張れちゃいます、色々と。
-謙虚な気持ちになる
上の「前向きに物事を考えられるようになる」というのがどちらかというとあまり物事がうまくいっていない時に思える気持ちですが、こちらの「謙虚な気持ちになる」というのは、特に自分では調子がいいと思っているときに一番効能を発揮するものかと思います。
調子がいい時ってどうしても人間、増長しがちですが、こういう気持ちをバシッと切ってくれるのが三浦作品だと思います。自戒の意味を込めて読むのもいいのではないでしょうか。
(番外編)泣ける・感動できる
ちょっと上では人生の教科書的存在だなどと堅いことをいいましたが、三浦作品の効能としてこの「泣ける・感動できる」も欠かせないひとつかと思います。
映画とかビデオ見るときでも「今日は泣くぞ」みたいに思いながら見るときもあるでしょうし、辛いときに泣いてスッキリしたいという方もいることでしょう。また平凡な日々に飽き、何か感動を求めている時もあるでしょう。そういう時に三浦作品はなかなかの効能を発揮します。
ハッキリいって単純に泣けます。感動できます。
人生の教科書的存在であるとともに人を泣かしたり、感動させることができる三浦作品はれっきとしたエンターテイメントじゃないでしょうか。
このページの最初でも言いましたが、あんまり深い意味でここで述べたことをとらえず、まずは自分の目で三浦作品にふれてもらうのが一番だと思います。まずは読んでもらうの一番ですので、次の3では三浦作品の代表作を簡単に紹介したいと思います。
また、三浦作品を読んで感じたことは掲示板にでも書いてもらえるとありがたいです。感動を共有できたらいいなと思っています。
▽おまけ
あんまりいいことだけ書いてもあれなんで、ちょっと思っていることをチョロッと。
特に小説系でいえることですが、たまにストーリー展開に無理があるんじゃないのと思うことあります。おいおい、そりゃ無茶でしょという展開がなきにしもあらずです。でも個人的にはその辺はあまり気にならないたちなので問題はないのですが。それ以上の感動もらえるのでOKだといえます。
ちょっとクサイ。これも人それぞれの感じ方により違いますが、私はクサイ言葉、文章で読む分には割と好きなので構わないのですが、三浦作品の中にはクサイ言葉がたくさん出てきます。ある人には説教くさいととらえられてしまうかも知れません。たしかに三浦作品を映画やドラマにするとこりゃたまらんぐらいのくささ抜群ですが、文章で読む分にはOKかなと思います。
ある程度説教くさい言葉ももらわないとだらけちゃいますからね。そういう意味で貴重な存在かも。
2000/02/06Update