三浦綾子入門
三浦綾子入門 1.三浦綾子って誰?
1.三浦綾子って誰?
三浦綾子さんを紹介する際にキーワードとなるのは、
旭川、氷点、キリスト教、夫婦、病気
になるのではないでしょうか。
このキーワードにそって以下三浦綾子さんを紹介していきます。
第一のキーワード「旭川」
三浦綾子さんは1922年(大正11年) 北海道旭川生まれ。
一生を旭川で書き続けた作家。
小説の舞台となる土地は北海道、特に旭川が多い。
三浦文学を後世に伝えていくため、旭川に三浦綾子記念文学館が1998年にオープン
第二のキーワード「氷点」
作家として一躍脚光を浴びたのは、昭和39年、朝日新聞社の一千万円懸賞小説に「氷点」が入選したことである。
朝日新聞の連載小説として公開後、いわゆる「氷点ブーム」が到来。
「氷点」は映画化、テレビの連続ドラマ化、舞台化などがされた。
氷点は販売部数300万部を越えるベストセラー、現在もなお読み続けられている。
第三のキーワード「キリスト教」
三浦綾子さんはクリスチャン。
出世作となった「氷点」のテーマがキリスト教でいうところの「原罪」であることからも分かるが、三浦作品の基本的テーマはキリスト教に基づくものである。
自著の『孤独のとなり』(角川書店)で次のように語っている。
わたしは、直接であれ、間接であれ、このキリストの福音を伝えようとして書いているのである。たとえ文学的には、どうであれ、この信仰の土台に立って書いているのである」
ここから分かるように三浦綾子さんはキリスト教を信仰し、キリストの教えを伝えるために書き続けた。
キリスト教に基づく作風ではあるが、その文章はとてもわかりやすく、信者であろうとなかろうと、その作品の持つ感動は共有しうるものである。
(余談)同じクリスチャン作家に曽野綾子さんがいるが、三浦綾子さんとは別人。
第四のキーワード「夫婦」
夫は三浦光世さん。
三浦光世さんとは十三年にも及ぶ入院生活中に出会う。
三浦綾子さんが退院後、二人は結婚する。
三浦綾子さんと光世さんの出会いから結婚に至るまでの経緯は「道ありき」に詳しい。
三浦綾子さんと光世さんは仕事上でも欠かせないパートナーであった。ほとんどの作品が三浦綾子さんが口述し、それを光世さんが筆記するという二人三脚で産まれたものである。
第五のキーワード「病気」
三浦綾子さんは病弱で病気との闘いの一生だった。
肺結核、脊椎カリエスにより十三年にも及ぶ入院生活を経験するほか、帯状疱疹、直腸ガン、パーキンソン病といった大病も経験する。
病気という苦難も「恵み」のひとつである考えることができる、その精神力の強さはすごいというほかない。また、そのような苦難を知った著者から生まれる言葉はとてもあたたかく、優しい言葉に満ちあふれている。
1999年10月12日、77歳の生涯を終える。
<参考HP>
・三浦綾子記念文学館については、
・三浦綾子さんの略歴・著作目録については、
<参考文献>
・三浦綾子に出会う本(フォレスト・ブックス編集部編 いのちのことば社)
・言葉の花束 愛といのちの777章(三浦綾子著 宍戸芳夫編 三浦光世監修 講談社)
2000/02/05Update